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「日産 キャブオール」がモデルとなっているトミカは、昭和レトロ感あふれる丸目4灯前照灯とフロントグリルのデザインがとても印象的で、個人的には好きな日本製のトミカのひとつとなっています。
この「ニッサン キャブオール ルートトラック」(No.54-2)のトミカは、1966年(昭和41年)8月から1976年(昭和51年)5月まで販売された、実車の2代目「日産
キャブオール」(C240型系)がベースのルートトラック(ボトルカーやベンディングカーともいう)がモデルとなっています。
当時の「日産 キャブオール」は、警察用車両や消防車、バキュームカー、塵芥車、保冷車などの特装車のベースとして多く使用され、自衛隊にも物資・人員輸送用トラックとして納入されていたそうです。
ネット上でも、キャブオールをベースとした当時のルートトラック(ボトルカー)の実車の写真を見ることができました。
2代目「日産 キャブオール」(C240型系)の登場時の実車は、最高出力92PSの1,982cc「H20型」ガソリンエンジン仕様と、最高出力65PSの2,164cc「SD22型」ディーゼルエンジン仕様が用意され、変速機(トランスミッション)は4速MT(+後進1段)のコラムシフト、燃料タンク容量は60リットルとなっているようです。
なお、1973年(昭和48年)の2度目のマイナーチェンジの際には、ディーゼルエンジンが最高出力85PSの3,000ccのものにパワーアップされて5速MT(コラムシフト)となっていて、カタログ上は「豪傑エンジン」と書かれて宣伝されています。
ちなみに、コラムシフトとは、ステアリングホイール(ハンドル)の軸をカバーしている部分のステアリングコラム(ハンドルの後ろ側部分)にシフトレバーが装備された形式のことです。
コラムシフトは、ハンドルとの位置が近いため、素早い操作ができるなど操作性が良く、フロアシフト形式に比べて前席のスペースを広く使うことができるなどのメリットがあるため、昭和から1990年代以降まで多くの車種で採用されていましたが、近年では、変速機の電子制御化によるインパネシフトの採用の増加や、コラムシフトは操作時にどのギアに入っているか視認しにくいなどの理由により、ほぼ消滅しつつある状況となっているそうです。 |
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シールを貼る前(購入時)の状態 |
パッケージには、車体の指定された場所に自分で貼るシールが同梱されています。
なお、私は個人的には、古い日本製トミカの未貼りのシールはなるべく使用しないようにしていますので、このページでご紹介していますトミカの写真は、自分で車体に貼るシールについては、実物のシールのコピーとなっています。
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上部ビュー |
「ペプシ」(PEPSI)は、アメリカの大手飲料メーカーである「ペプシコ社」が製造・販売するソフトドリンク飲料のブランド名で、日本においても、特に「ペプシコーラ」が有名な商品となっています。 |
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左右サイドビュー |
写真のトミカのホイールは「11Fホイール」となっています。
写真のトミカのキャビン左側ドア部分に貼られた「PEPSI」のロゴマーク(当時/1973年~1991年)が描かれたシールと、車体後部荷台の左右両側面に貼られた「PEPSI」の大きなロゴマーク、「ペプシコーラ」、「ミリンダ」が描かれたシールは、あらかじめ出荷時にトミカ本体に貼られていたシールとなっています。
「ミリンダ」(mirinda)は、日本では1964年(昭和39年)に発売されたソフトドリンクで、当時は映画館やボウリング場などで販売されていたそうですが、現在は日本市場や北米市場では販売されていようです。(ロシア、中国、東南アジア、中近東、南米などではメジャーブランドとなっているようです。)
なお、キャビン左側ドア部分に貼られた「PEPSI」の長方形のシールは、写真のトミカのものよりも小さいサイズのシールとなっているバリエーションが存在します。
キャビン右側ドア部分に貼られた「PEPSI」のシールは、パッケージに同梱されていて自分で車体に貼るシールとなっています。(写真のトミカのシールはコピー)
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リアビュー |
リア側のナンバープレート部分をよく見てみると、とても小さい字ですが「足立 44 い 24-51」と刻印されているようです。
荷台後部には「PEPSI」の大きなシールが貼られていますが、このシールはパッケージに同梱されていて車体に自分で貼るシールとなっています。(写真のトミカのシールはコピー)
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車体底面 |
トミカの車体底面(裏板)には、「NISSAN CABALL」、「NO.54」、「JAPAN」などと刻印されています。 |
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パッケージ |
写真のパッケージは、いわゆる「黒箱」のものになります。
なお、パッケージのイラストのキャブオール正面フロント部には「PEPSI」のロゴマークが描かれていますが、パッケージに同梱されていたシールでは、キャビンフロント部に貼るシールは指定されていません。
そのほか、一部の黒箱のパッケージ側面には、このトミカのパッケージ側面に書かれた「T-29」のように謎めいた記号のようなものが書かれていますが、これはトミカに詳しい方によると、当時のトミー工業株式会社の決算期の、過去からの順番の数字を示しているのだそうです。
つまり、このトミカのパッケージ側面に書かれた「T-29」とは、トミー工業株式会社の前身の会社の決算期も含めて第29期の決算期に製造されたトミカであることを示していて、すなわち写真のトミカは第29期決算期の1980年(昭和55年)3月から1981年2月の間に製造されたトミカである、ということになるようです。
そうすると、写真のトミカは、このトミカが新発売された1980年10月から1981年2月までの間に製造されたトミカであろうことが推測されます。
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