トミカ セリカ ラリー No.46-3 1992年3月発売 4代目 トヨタ セリカ ST165 日本製
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セリカ ラリー
(4代目 ST165型)

 1992年3月に発売された「セリカ ラリー」(No.46)のトミカ(日本製/No.46-3)です。

 このトミカは、トヨタが1988年5月の世界ラリー選手権(WRC)「ツール・ド・コルス」(フランス)から投入した、4代目セリカのフルタイム4WD「GT-FOUR」(ST165型)がベースのラリーカーをイメージしたトミカとなっています。

フロントビュー

 前照灯は、先代の3代目セリカ(1981年~1985年)のマイナーチェンジ後モデル(1983年~)と同様に、リトラクタブルヘッドライト(格納式前照灯)となっています。

 トミカのフロントのナンバープレート部分には「・927」と刻印されています。(リア側も同様)


 (パッケージ表記)
 セリカラリー
 CELICA RALLY
 SCALE 1/58 TOMY
 トミカ 46 日本製 MADE IN JAPAN

 スーパースピード/サスペンション/
 ドアー開閉

 (車体底面)
 TOYOTA CELICA 2000GT-R
 TOMICA ©TOMY
 NO.33 S=1/58
 MADE IN JAPAN

 発売時価格 ¥360円(税3%別)
 発売期間 1992年3月~1996年6月


 2024.09.24現在




 「トヨタ セリカ」の4代目となる「T160型」は、1985年8月に発売され、4代目からは駆動方式がこれまでの後輪駆動(FR)に代わって横置きフロントエンジンの前輪駆動(FF)となっています。

 1986年10月には、最高出力185PSの2.0L(1998cc)直列4気筒DOHC「3S-GTE型」ターボエンジンを搭載するフルタイム4WDの「GT-FOUR」(ST165型)が発売され、このモデルから世界ラリー選手権(WRC)への本格参戦が開始されています。

 グループA規定の5,000台の販売台数をクリアした1988年に、四輪駆動でX-TRAC製6速ミッションを搭載した「ST165型」の「GT-FOUR」が投入(初陣は1988年5月)されましたが、ラリーでの使用を前提として開発されたわけではない「ST165型」はエンジンパワーと信頼性の不足に悩まされ続けたそうです。

 しかし、飽くなき改良と熟成の努力によって少しづつマシンの完成度を上げていくことにより、1989年9月のラリー・オーストラリアでユハ・カンクネン(フィンランド出身)が初優勝を果たし、そして、1990年のシーズンにカルロス・サインツ(スペイン出身)が4勝をあげて「ランチア」を破り、日本車初となるWRCタイトル(ドライバーズチャンピオン)を獲得しています。

 また、並行参戦していた「アジアパシフィックラリー選手権」(APRC)でもカルロス・サインツがチャンピオンを獲得しています。

 1990年にカルロス・サインツが日本車初のドライバーズタイトルを獲得したマシンは「トヨタ セリカ GT-Four ST165」で、最高出力265馬力の1,988cc直列4気筒DOHC水冷ターボエンジンを搭載し、トランスミッション(変速機)はX-TRAC製6速MT、車両重量は1,100kg、タイヤはピレリ、などとなっています。

 カルロス・サインツは、1991年のシーズンは5勝をあげるも、1990年にランチアに復帰したユハ・カンクネンに敗れてランキング2位でしたが、1992年のシーズンに投入(1月のラリー・モンテカルロでデビュー)された新型マシンの「セリカ GT-Four ST185」(5代目セリカ)を操り、ランチアを破って2度目のタイトルを獲得しています。

 そのような1992年のカルロス・サインツの活躍とタイトル獲得を記念して、「ST185」(5代目セリカ)をベースにした「カルロス・サインツエディション」という特別限定車も発売されています。

 以上の経緯を見てみますと、今回ご紹介していますこの「セリカ ラリー」のトミカの車体各部に貼られた「185」のカーナンバーは、実車のものがモデルになっているのではなく、このトミカが発売された年の1992年のシーズンに投入された新型マシンの「セリカ GT-Four ST185」(5代目セリカ)の型式の数字「185」が、当時のセリカのラリーマシンをイメージさせるものとして採用されたのだろうと思われます。


「トヨタ セリカ GT-Four ST165」 1990年 サファリラリー優勝車
(セリカ ラリーの実車)

 かつて東京の臨海副都心エリア(東京都江東区青海)にあったトヨタのテーマパーク・展示ショールーム「MEGA WEB」(メガウェブ/1999年3月19日~2021年12月31日)内の「ヒストリーガレージ」にて展示されていた「トヨタ セリカ GT-Four ST165」の実車を撮影したものです。

 写真のマシンは、1990年のWRCに参戦し、サファリラリーで優勝したカーナンバー3の「トヨタ セリカ GT-Four ST165」の実車で、ドライバーはビヨルン・ワルデガルド(スウェーデン出身)、コ・ドライバーはフレッド・ギャラガー(イギリス出身)となっています。

 1990年のサファリラリーでは、豪雨の影響でコースの各所にぬかるみや水たまりができる最悪のコンディションの中、当時46歳だったワルデガルドは一度もスタックすることなく4,131kmの行程を走り切り、2位に38分を超える大差をつけて優勝したそうです。

 そばに設置されていた説明文によると、この「トヨタ セリカ GT-Four ST165」は、駆動方式は4WD、エンジンは最高出力295PSの2L(1,988cm3)水冷直列4気筒DOHCターボ「3S-GTE改」エンジンを搭載し、サスペンションはマクファーソン・ストラット(前・後)、車両重量は1,100kg以上となっています。

 下の写真は、1995年のサファリラリー優勝車の「セリカ GT-Four ST185」(カストロールカラー/Castrol)になります。

 このマシンをドライブした藤本吉郎選手は日本人初のサファリ・ウィナーとなりました。

 そばに設置されていた説明文によると、この「セリカ GT-Four ST185」は、駆動方式は4WD、エンジンは最高出力299PSの2L(1,988cm3)水冷直列4気筒DOHCターボ「3S-GTE改」エンジンを搭載し、サスペンションはマクファーソン・ストラット(前・後)、車両重量は1,200kg以上となっています。



シールを貼る前(購入時)の状態

 パッケージには、車体の左右両側面のドア部分に自分で貼る「TRD 185」と書かれたシールが同梱されています。

 また、パッケージの側面には、「セリカ ラリー」に関する簡単な説明文が以下のとおり書かれています。

 セリカラリー SCALE 1/58
 公道を使ってレースをするためのレーシングカーです。
 国内では改造が制限されたノーマルカーに近いクルマでレースをします。
 レースは速いだけでなく、指定された時間にいかに誤差なくゴールできるかを競います。

 なお、私は個人的には、古い日本製トミカの未貼りのシールはなるべく使用しないようにしていますので、このページでご紹介していますシール貼り付け済みのトミカの写真は、上の写真とは別のトミカになります。



上部ビュー

 フロントのエンジンフード上面には、「185 TRD TOYOTA」と書かれたシールが貼られています。

 また、屋根上には、黄色地に黄緑色と緑色のラインが描かれたシールが貼られています。

 この2つのシールは、あらかじめトミカに貼られているシールになります。(自分で車体に貼るシールではありません)

 なお、この「セリカ ラリー(No46-3)のトミカは、屋根上のシールの前後の向きが逆に貼られているものが存在するようですが、そのシールの逆向きの貼り方が、はたして当時のこのトミカの製造時に明確に意図的に行われたものなのか、それとも、たまたま作業上のミスで発生してしまったのか、どのような理由でシールが逆向きなのかは現時点では私ではわかっていません。

 ただ、このトミカの車体側面前部から屋根にかけてのカラーリングデザインを見てみると、屋根上のシールが前後逆向きの貼り方は、常識的にはカラーリングの流れの整合性に欠け、不自然さがあるものとなっています。


左右サイドビュー

 車体の左右両側面のドア部分には、パッケージに同梱されていて自分で車体に貼る「TRD 185」と書かれたシールが貼られています。

 また、写真のトミカのホイールは「2FWホイール」(白色系)となっています。

 なお、このトミカと同じように4代目セリカ「ST165型」のラリーカーがモデルのトミカは、2004年3月に発売された「トミカくじⅤ(5)」の「No.14 セリカ ラリー ST165」(No.33-5-12/11Fホイール)のトミカ(発売時価格 1個¥350円/税5%別)や、1991年1月のラリー・モンテカルロの日本車として初めての優勝車(マルボロ Marlboro/カーナンバー2/ドライバーはカルロス・サインツ)がモデルのガリバー特注品(日本製/シール付き)などが存在するようです。

 ただ、「トミカくじⅤ」のバリエーションのトミカ(No.33-5-12)は、車体色が赤色と白色となっているところまでは良いのですが、当時のWRCに参戦した実車のラリーカー「ST165」のカラーリングやデザイン、カーナンバーをそのままモデルにしたものではないようです。

 そこで、私が個人的に思うのは、このページでご紹介しています「セリカ ラリー」(No.46-3)の日本製の通常品のトミカが、もしWRCに参戦して優勝した実車のカラーリングやデザイン、カーナンバーなどを再現したモデルのトミカであったならば、このトミカは今以上に人気があっただろうな~とは思います。



ドアを開けた状態


トミカ内部(車内インテリア)の様子

 ハンドルとシフトレバー(フロア)、座席シートなどが黒色系のプラパーツで再現されています。

 トミカでは、4代目「トヨタ セリカ」(T160型系)の実車のハンドルの3本スポークタイプが再現されています。

 ちなみに、実車の4代目セリカ市販車のハンドルは、ステアリングコラムが前後に40mmまで調整できるテレスコピック機構と、従来のチルト機構に、レバー操作でステアリングが跳ね上がり、再び引き下げればセットした位置に戻るメモリー機能が備えられた、メモリー付きチルト&テレスコピックステアリングとなっています。

 また、一部のグレードには、安定した操舵フィーリングのために回転数感応型パワーステアリングが採用されています。



リアビュー

 ナンバープレート部分には、フロント同様に「・927」と刻印されています。



車体底面

 車体底面(裏板)には、「TOYOTA CELICA 2000GT-R」、「NO.33」などと刻印されています。

 このことから、このトミカは、4代目「トヨタ セリカ」(T160型系)がモデルで1986年5月に発売された「トヨタ セリカ」(No.33-5)のトミカの金型が流用されてベースとなっていることがうかがえます。


パッケージ

 パッケージは、いわゆる「赤箱」のタイプとなっていて、パッケージの側面には「セリカ ラリー」に関する簡単な説明文が書かれています。









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