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5代目「スカイライン」(C210型)は、「日本の風土が生んだ、日本の名車」とされた広告のキャッチコピー「SKYLINE JAPAN」から、通称「ジャパン」と呼ばれたそうです。
5代目「スカイライン」は、直列6気筒エンジンを搭載する「GTシリーズ」と直列4気筒エンジンを搭載する「TI(ツーリング・インターナショナル)シリーズ」の2系列が用意され、ヘッドランプの形状が前期型は丸形4灯式だったのが、1979年(昭和54年)7月のマイナーチェンジ後の後期型では、GT系のみ異型角形2灯式となったそうです。
このトミカは、5代目「スカイライン」(C210型)の、ヘッドランプが丸形4灯式の初期型「2000GT-E・S」(KHGC210型)がモデルになっているのが特徴です。
なお、同じく5代目「スカイライン」(C210型)にあたり、1980年(昭和55年)4月に登場した「ターボGTシリーズ」(HGC211型)のヘッドランプが異型角形2灯式となっている実車がモデルのトミカは、1980年10月に「ニッサン スカイライン 2000ターボ GT-E・S」(No.20-3)として発売されています。
1980年4月に「ターボGTシリーズ」が登場したことにより、この「No.61-2」のトミカのモデルでノンターボだった「2000GT-E・S」は廃止となったため、それにあわせるように、この「No.61-2」のトミカも1981年5月には絶版となり、新たに1980年10月に「ニッサン
スカイライン 2000ターボ GT-E・S」(No.20-3)のトミカが発売されたものと思われます。
5代目「スカイライン」(C210型)登場時の、2ドア・ハードトップの最上級グレードだった「2000GT-E・S」(KHGC210型)は、駆動方式がFR(後輪駆動)、最高出力130PSの2.0L(1,998cc)水冷直列6気筒SOHC「L20E型」エンジンを搭載し、トランスミッション(変速機)はオーバードライブ(OD)付き5速MTまたは3速AT(ニッサンマチック)が選択でき、燃料タンク容量は60L、車両重量は1,200kg(5速MT)となっています。
当時の「2000GT-E・S」(KHGC210型)の実車の価格は¥160万5,000円だったそうですので、消費者物価指数を参考に現在の貨幣価値に換算してみると、現在の約¥270万円程度になります。
当時の日本の自動車産業界は、年々厳しくなる排出ガス規制と、中東戦争によるオイルショックによる燃費改善に対応することが求められていて、当時のスカイラインもカタログから「GT-R」が消え、速さや運転性能が抑えられてしまった時代背景があったそうです。
「GT-R」の名称は、1973年(昭和48年)4月に4代目「スカイライン(ケンメリ)」の「2000GT-R」が搭載するS20型エンジンが昭和48年排出ガス規制に適合できなかったために生産・販売を終了してから、1989年8月に発売された8代目「スカイライン」の「GT-R」(BNR32型)で復活するまで、約16年間も封印されることになってしまったそうです。 |
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上部ビュー |
当時のカタログを見てみると、「没個性化がすすむ時代に、個性を優性遺伝し続けたスカイラインが、いままた新しい個性を創造しました。精悍なダンディズム新型スカイライン2000GT。虚飾を排したスタイリングは、スカイラインの伝統。その独自のウェッジスタイルをさらに研ぎ澄ましました。」、「重心を低くとったプロポーション。」などと書かれています。
当時の実車の写真を見てみると、今でもそのスタイリングはカッコよく感じられ、実際に当時は、先代の4代目「スカイライン」の通称「ケンメリ」と同様に、暴走族の改造車として人気があったそうです。 |
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左右サイドビュー |
写真のトミカのホイールは「1Hホイール」となっています。
車体側面のリアフェンダー部分には、ダイナミックで特徴的な「サーフィンライン」が施されています。
また、リアフェンダー後部には、実車にもあった「Skyline GT」のエンブレム(オーナメント)が再現されています。
この「ニッサン スカイライン 2000GT-E・S」(No.61-2)のトミカは、発売期間が1978年8月から1981年5月までの約2年9ヵ月と短く、そのためか、このトミカは同じ日本製でも、ホビーショー限定の黒色ボディ(1HGoホイール/金色系ホイール)のバリエーションぐらいしか一般的には認知されていないようで、日本製のバリエーションは非常に少ないものと思われます。
中国製のバリエーションですと、2004年5月に発売された「憧れの名車伝説Ⅰ」(4台セット 定価¥1,440円 税5%別)、2007年7月26日に発売された「スカイライン誕生50周年記念
前期」(全6種 各¥500円 税5%別)などがあります。
そのほか、中国製のものは、2001年6月に発売されたトミカリミテッドの「日産 スカイライン 12モデルズ VOL.1」(NISSAN SKYLINE
12MODELS VOL.1 12台セット 定価¥8,400円 税5%別)が有ります。
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ドアを開けた状態 |
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トミカ内部(車内インテリア)の様子 |
ハンドルとシフトレバー(フロア)、座席シートなどが赤色系のプラパーツで再現されています。
なお、トミカのハンドルは3本スポーク型となっていますが、当時のカタログを見てみると、実車の「2000GT/2000GT-E」および「2000GT-L/2000GT-E・L」は3本スポーク型だったようですが、実車の「2000GT-E・S」は4本スポーク型だったように思われます。
また、実車の「2000GT-E・S」はパワーステアリングがメーカーオプションで、パワーウインドウは無かったようです。
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リアビュー |
スカイラインの象徴のひとつともなっている、リアの丸目4灯のテールランプがスカイラインファンの心を惹きつけます。
リア側のナンバープレート部分には、フロント同様に「GT」と刻印されています。
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車体底面 |
トミカの車体底面(裏板)には、「NISSAN SKYLINE 2000GT-E・S」、「© 1978」、「NO.61」、「S=1/65」、「MADE
IN JAPAN」などの刻印が見られます。 |
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