飯田線(JR東海) 各駅探訪~伊那上郷駅(伊那上郷-元善光寺) 
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 このページでは特に飯田線の伊那上郷駅(伊那上郷-元善光寺)周辺の様子を撮影したり撮り鉄した写真画像などを掲載しています♪
伊那上郷駅(いなかみさとえき)は、「下山ダッシュ」という逸話に登場する駅としても知られています。


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飯田線(JR東海) 伊那上郷駅 いなかみさと Iida Line
伊那上郷駅 【豊橋起点:131.1km】  2023.09.17現在 ~☆なお、以下に掲載する写真は特筆が無い限り同じ日に撮影した写真になります。

 長野県飯田市上郷黒田にある飯田線の伊那上郷駅(いなかみさとえき/標高 500m)です。

 上の写真は、伊那上郷駅の様子を同駅のすぐ東側にある「高松踏切」(たかまつふみきり)から撮影したもので、写真奥方向が西方向で桜町駅方面(飯田・豊橋方面)、手前方向が東方向で元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。

 伊那上郷駅は単式ホーム1面1線を有する地上駅(無人駅)で、2018年度の1日平均乗車人数は約700人となっています。

 伊那上郷駅は、一見とてもローカルで小さな駅に見えますが、当駅周辺近くには、長野県飯田高等学校、飯田女子高等学校、飯田市立高陵中学校などの学校があって、生徒や関係者の方達による利用が多くなっているものと思われます。


 伊那上郷駅は、飯田線の駅の中でも変わった逸話と関係のある駅となっていて、それは「下山ダッシュ」というものです。

 ここの伊那上郷駅から飯田・豊橋方面へ5つ先の下山村駅(しもやまむらえき)から当駅までは、飯田線の線路形状は飯田市の市街地を迂回するように大きく西方向へカーブしていてキロ程が6.4kmありますが、下山村駅から伊那上郷駅まで徒歩で歩くと、北方向へ直線距離で約2kmほどになるそうです。

 飯田線の下山村駅から伊那上郷駅までは下山村駅→鼎駅→切石駅→飯田駅→桜町駅→伊那上郷駅の経路でキロ程6.4km、時間にして乗車時間約13分~約30分(列車によって異なる。飯田駅に15分も停車する列車も有ります。)ということで、自分の足で急げば飯田線の電車よりも早く、下山村駅から伊那上郷駅まで行くことができる、というのがいわゆる「下山ダッシュ」になります。

 ただし、下山村駅と伊那上郷駅は高低差が73mあって、道中に上り坂が続いているようで、体力的にはけっこうきついようです。

 また、途中は信号も有るようですので、交通ルールを守る必要があります。

 「下山ダッシュ」は、テレビなどのメディアで紹介されることもあったようで、おそらくこれまでに多くの方々が、下山村駅から「下山ダッシュ」の成功を期して、ここ伊那上郷駅を目指したことであろうと思います。


 伊那上郷駅は、1923年(大正12年)8月3日に伊那電気鉄道が元善光寺駅から飯田駅まで延伸した頃に上郷停留場(旅客駅)として開設されたのが始まりで、具体的な開設日は現在では不明なようで、1923年(大正12年)8月~12月頃に開設されたといわれているようです。

 その後、1935年(昭和10年)12月16日に上郷駅(かみさとえき)に昇格し、その頃に貨物取扱が開始され、翌年の1936年(昭和11年)1月頃に伊那上郷駅(いなかみさとえき)に改称されています。

 そして、戦時中の1943年(昭和18年)8月1日に伊那電気鉄道線が飯田線の一部として国有化されて鉄道省飯田線の駅となっています。

 戦後は、1949年(昭和24年)6月1日に発足した日本国有鉄道(国鉄)の駅となり、1971年(昭和46年)12月1日に旅客取扱については駅員無配置駅となり、1978年(昭和53年)4月1日に専用線発着車扱貨物取扱が廃止され、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化により、現在のJR東海(東海旅客鉄道)の飯田線の駅となっています。




伊那上郷駅を南西側から見る

 写真左方向が西方向で桜町駅方面(飯田・豊橋方面)、右方向が東方向で元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。

 伊那上郷駅は、カーブの途中に存在していて、駅開設時は線路の北側のカーブの内側にホームがあったそうです。

 しかし、そのようなホームであると、電車の乗降口とホームの間が広く空きすぎて危険であったため、線路南側のカーブ外側となる現在の場所にホームが移設されたのだそうです。

 また、かつては駅周囲の製材業者の専用線が伊那上郷駅に接続していたそうです。


伊那上郷駅を南東側から見る

 写真奥方向が西方向で桜町駅方面(飯田・豊橋方面)、手前方向が東方向で元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。

 私は長野県の地理は全くわかっていないのですが、写真奥のほうに見える立派な山は風越山なのでしょうか。

 ネット上で調べてみると、やはり飯田市のシンボルとも言われる風越山(かざこしやま)のようです。

 風越山は標高1,535mで、信州百名山のひとつとなっているそうです。


伊那上郷駅を東側から見る

 写真奥方向が西方向で桜町駅方面(飯田・豊橋方面)、手前方向が東方向で元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。

 写真に見える踏切は、伊那上郷駅のすぐ東側にある「高松踏切」(たかまつふみきり)になります。

 写真左側(南側)に見えるお洒落な建物は「飯田市多世代交流プラザ」になります。





伊那上郷駅周辺の様子
伊那上郷駅前にある飯田市多世代交流プラザ

 写真左側(南側)に見える建物が「飯田市多世代交流プラザ」になります。

 伊那上郷駅は右側(北側)に見えています。


駅東側にある高松踏切から西方向を見る

 かつては駅周囲の製材業者の専用線が伊那上郷駅に接続していたそうですが、私ではその痕跡は見つけられていません。


伊那上郷駅を南東側から見る

 写真奥方向が西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。


伊那上郷駅を南西側から見る

 少しわかりにくいですが、上の写真の右端側には、伊那上郷駅の南側に設置されている駐輪場が見えています。


伊那上郷駅の南西側で分岐する道路

 写真奥方向が北西方向で、飯田線の桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 写真奥方向に風越山が見えています。

 写真左方向に分岐する道路は南西方向へ向かっています。


伊那上郷駅の南西側で南西方向へと続く道路

 この道は、飯田線の下山村駅から伊那上郷駅へと向かう「下山ダッシュ」で使われるのではないか、と思っていましたが、地図を見てみると、下山村駅から伊那上郷駅への道路での最短ルートは、こちらの南西側の道路よりも、伊那上郷駅の南東側に通じる道路のほうになるかもしれません。

 ネット上で見てみると、写真の伊那上郷駅の南西側の道路も「下山ダッシュ」のルートとして紹介はされているようです。





伊那上郷駅のホームの様子
伊那上郷駅のホーム出入口付近の様子

 伊那上郷駅のホーム出入口は、東側(元善光寺・辰野方)のみにあります。

 ホーム出入口には、階段とスロープ(斜路)が備えられています。


ホーム出入口からホームに上がった場所から東方向を見る

 写真奥方向が東方向で、元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。

 写真に見える踏切は、伊那上郷駅のすぐ東側にある「高松踏切」(たかまつふみきり)になります。

 飯田線の下山村駅から伊那上郷駅へと向かう「下山ダッシュ」のゴール地点は、電車に乗ることができるこの場所ということになりそうです。


ホーム東端側の様子

 写真奥方向が西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 ホーム東端側には、簡易な屋根付きの切符回収所やミラーが設置されています。

 写真に見える屋根付きの切符回収所の柱部分には、切符回収箱が取り付けられています。


伊那上郷駅のホーム東端側から元善光寺駅方面を見る

 写真奥方向が東方向で、元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。

 伊那上郷駅のすぐ東側には、「高松(たかまつ)踏切」があります。

 この先2.7km(キロ程)あたりのところに元善光寺駅があります。

 ここ伊那上郷駅と、この先の元善光寺駅の間には、将来はリニア中央新幹線の新駅(仮称:長野県駅)が開業する予定となっています。

 その他、伊那上郷駅と元善光寺駅の間には、飯田線の最北のトンネルとなる「上郷トンネル」があるそうです。

 中部天竜駅あたりから天竜峡駅まで、当たり前のように見てきた飯田線のトンネルが、このあたり以北では見られなくなるというのも、山間部を走る飯田線のイメージからすれば、少々意外な感じがします。


ホーム東端側の様子

 写真奥方向が東方向で、元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。

 遠方のほうには、伊那山地と思われる山々が見えています。

 写真に見える踏切は、伊那上郷駅のすぐ東側にある「高松(たかまつ)踏切」になります。


ホーム東端側から桜町駅方面を見る

 写真奥方向が西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 ホーム上の中ほどには、比較的大きな造りで立派な待合所が備えられています。


伊那上郷駅のホーム中ほどにある待合所と駅名標

 写真奥方向が西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 ホームは、飯田線の線路に沿うようにカーブ形状となっています。

 伊那上郷駅の近くには、長野県飯田高等学校、飯田女子高等学校があるため、下校時のホームや待合所は、きっと賑わいを見せているものと思われます。

 伊那上郷駅を利用する高校生の彼らにとっては、当駅は永遠に忘れられない青春のいい思い出となることと思います。


ホーム上にある伊那上郷駅の駅名標

 駅名の「上郷」は、かつて長野県下伊那郡にあった「上郷町」(かみさとまち)に由来しているようです。

 上郷町は、1993年(平成5年)7月1日に飯田市に編入合併されたようです。


ホーム上の駅名標がある場所あたりから東方向を見る

 写真奥方向が東方向で、元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。


伊那上郷駅のホーム上にある待合所の様子

 待合所は比較的大きく立派で、自動販売機や公衆電話、空き缶・ペットボトル回収箱まで設置されています。

 屋根部分も長く造られていて、高校生の下校時などの混雑時に極力対応できるように配慮されているものと思われます。


ホーム上の待合所がある場所辺りから元善光寺駅方面を見る

 写真奥方向が東方向で、元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。



待合所に設置された公衆電話など
(←写真左)

 公衆電話の他、空き缶・ペットボトル回収箱も設置され、壁面には時刻表と普通運賃表が掲示されています。

 時刻表を見てみると、朝夕の登下校時間帯の列車本数は、1時間に1本、よくて2本しかないようですので、乗り遅れたらかなりの時間をロスすることになりそうです。

 このようなこともあって、下山村駅からここ伊那上郷駅へ自らの足で向かう「下山ダッシュ」の逸話が生まれたのかもしれません。

ホーム上の待合所内部の様子

 左上の写真が東側(元善光寺方)から見た待合所内部の様子、右上の写真が西側(桜町方)から見た待合所内部の様子になります。

 待合所の内部には長椅子が備えられています。



ホーム上の待合所前から桜町駅方面を見る

 写真奥方向が西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 待合所の前は、ホームの幅が少々狭くなっています。



ホーム上の待合所西側から桜町駅方面を見る

 写真奥方向が西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 ホーム上の待合所の西側部分(桜町・飯田方)は、南側の壁面と屋根だけがある開放された空間となっています。



ホーム上の待合所の西側部分の様子

 写真奥方向が東方向で、元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。



ホーム上の待合所西側から桜町駅方面を見る

 写真奥方向が西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 写真奥のほうの遠方には、飯田市のシンボルとも言われる風越山(かざこしやま)が見えています。

 今では、かつてあったという、伊那上郷駅に接続していた駅周囲の製材業者の専用線の痕跡は無いようです。

 ネット上で調べてみると、かつて伊那上郷駅を通学で使っていたという方のコメントを拝見することができました。

 その方によると専用線は、駅に接する飯田線本線のカーブの内側(北側)に並行して敷設されていて、渡り線がホームの中ほどから桜町駅方面(飯田・豊橋方面)に向かって北方向(写真右側)に分岐していて、専用線の長さはホームと同じぐらいだったと記憶している、とのことでした。

 JRの各駅を訪問してみると、日本国内の物資輸送を鉄道が支え活躍した大正・昭和の時代に、非常に多くの駅でかつて専用線があった、という事実を知るわけですが、そのほとんどは現在では姿を消してしまって見ることができないことが多いです。



伊那上郷駅のホーム西端側の様子(旧トイレ跡)

 写真奥方向が西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 ホームの西端側には、まだ新しいピカピカの柵が設置されていて、ひょっとしたら、かつて伊那上郷駅に接続していたという駅周囲の製材業者の専用線と関係があるのかな、あるいは、かつてこちらの駅西側にもホーム出入口があったのかな、と考えたのですが、そうではなかったようです。

 ネット上で伊那上郷駅関連のことを見ていたら、なんと、こちらのホーム西端側にある階段の下には、かつてはトイレがあったのだそうです。

 現在の伊那上郷駅にはトイレが設置されていません。

 自分が伊那上郷駅を通学で利用する生徒だったら、トイレがあってくれたほうが良かったような気もしますが、トイレの設置維持継続には、維持費や防犯、衛生面など、いろいろと問題があったのかもしれません。



伊那上郷駅のホーム西端側から桜町駅方面を見る

 写真奥方向が北西方向で、桜町駅方面(飯田・豊橋方面)になります。

 この先1.0km(キロ程)あたりのところに桜町駅(さくらまちえき)があります。

 写真奥のほうには、そびえる風越山(かざこしやま)が見事に見えています。

 ですので、写真左側に見える線路沿いの道路からは、飯田線の電車を風越山をバックに撮影することができるようで、いい撮影ポイントとなっているようです。



伊那上郷駅のホーム西端側(桜町方)から元善光寺駅方面を見る

 写真奥方向が東方向で、元善光寺駅方面(駒ケ根・辰野方面)になります。

 上の写真の右端側には、伊那上郷駅の南側に設置されている屋根付きの駐輪場が見えています。

 リニア中央新幹線が開通して、ここ伊那上郷駅と元善光寺駅の間に、リニア新駅(仮称:長野県駅)が開設された後には、伊那上郷駅や駅周辺の風景も大きく変わるかもしれません。

 何しろリニア中央新幹線が開業すると、リニア新駅(仮称:長野県駅)から各駅停車で名古屋まで約27分、東京(品川)まで約45分と、リニアの運賃額はさておき、大都市が非常に近くなるわけですから、この地域に住んでいらっしゃる方々の意識やライフスタイルも大きく変わるのではないでしょうか。


 以上、伊那上郷駅の様子についてご紹介いたしました☆

 次の駅は元善光寺駅(もとぜんこうじえき)になります。





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